紀の川市で農業を営む「まつばら農園」は、明治時代から120年以上も続く果樹農家。東京ドームを優に超える5haの農地で、日本一の生産量を誇るフランド柿を中心に、みかんやはっさくなどの柑橘、野菜を育てています。代々の土地を受け継ぐのは、6代目の松原好佑さん。先代までの農家の在り方や考え方をガラリと変えた平成生まれの革命児。「食は人の心を豊かにする」をモットーに、みんなが笑顔になる果物を丹精込めて作っています。
まず改革したのが組合を通した出荷の形態。「本当に美味しいものが作れているのか」を自身で確認するために、首都圏で開催されるマルシェでの対面販売にチャレンジ。お客様からさまざまなお声をいただく中で、農業の楽しさや格好良さ、そして使命と役割に気付かされたと言います。そんなお客様の期待に応えるためにこだわったのは、旬を大切にした果物本来の美味しさ。農作物を育てる上で欠かせない土壌を一から見直しました。化学肥料や農薬の使用を極力減らし、自然の力を最大限に活かした環境づくり。さらに果実の濃さをより引き出すため、摘蕾・摘果の最適を徹底管理し、それぞれが一番美味しくなるタイミングを見計らって収穫されています。選別から出荷まで、果物は一つずつプロの手でチェック。販売するのは「味に自信があるものだけ」というこだわりっぷりです。